リトアニアの雷人「ペルクナス」vs 悪魔「ヴェルニアス」

リトアニア神話の神と悪

雷の神ペルクナス(Perkūnas) vs 悪魔ヴェルニアス(Velnias)

雷の神ペルクナス(ペルクーナス)は炎の燃え盛る石(あるいは真っ赤に焼けた鉄)の馬車で空を駆け回り悪魔である死神ヴェルニアスを追っていました。2頭の赤と白(あるいは黒と白)の馬に引かれた馬車は神格の象徴と言われています。

リトアニア西部のサモギティアと呼ばれる民族の描写によるとペルクナスは気の荒い馬乗りであり、口元に様々な色をした大きなヒゲをたくわえた白髪の老人で、白と黒の服をまとい角笛や斧を持っているとされています。

ペルクナスには多くの武器があります。斧の他にも大槌、大石、剣、稲妻、弓矢、こん棒、真っ赤に焼けた鉄のナイフがあり、ペルクナス自信が武器を造っていた鍛冶師だった説や天界の鍛冶師テレヴェリスに造らせていた説が存在します。

一方、悪魔ヴェルニアスはペルクナスから逃れるため必死です。リトアニアに多く生息する樫の大木は何百年何千年と経過するうちに木の内部に空洞部ができ、ヴェルニアスはその中に隠れて身を潜めたり、ペルクナスの武器でもある大石の岩陰に隠れて逃れては黒猫、犬、豚、ヤギ、羊、魚、牛といった動物に姿を変えて人々を欺いたり、富や美貌が手に入るなどと巧みに人々を騙して悪さをしていたと言われています。

雷を伴った暴風雨が訪れた時、この追跡劇がクライマックスを迎えます。雷の神ペルクナスは悪魔ヴェルニアスをはじめとする悪の魂を浄化させ盗まれた家畜や武器も取り戻すのです。

ペルクナスは"木曜日"とも深い関係があります。木曜日(Thursday)は多くの言い伝えにおいて"雷をおこす者"(Thunderer)の日とされ、雷の神ペルクナスはローマ神話のジュピターやギリシャ神話のゼウスと関連付けられています。木曜日は"雷と暴風雨の日"であり"結婚の日"でもあるとされています。

 

"雷"や"暴風雨"と"結婚"が関連づけられているのはとても興味深いところですね、、、カウナスには世界中の悪魔に関する彫刻などを集めた「悪魔博物館」も存在します。

 

ペルクーナスについてはこちらの記事でもさらに詳しく紹介しています。

バルト神話の雷神「ペルクーナス」

 

"Perkūnas vs. Velnias"